085870 ランダム
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SweetPain

痛 3





「ないない」

お望みどおりの
迷路にいる感覚


この体は
本当に
生きていたいのか


心の拠り所 欲
悲しみなら 埋葬


何もかも 夢であればいい


音が怖くて
目が眩しい


続くの? これは 永遠に続くの?


誰が答えをくれるの?


幸せの裏側に何があるかなんて
きっと その人しか知らない


皆 見えないように
柔らかい皮膚で全てをくるんで
でもね
忘れた歯の隙間から
真っ赤な肉が見えてるよ


悲しいね


もう やめよう


最初から何もなかったかのように
あるべき場所に還してあげて


まるで
最初から何もなかったかのように


一つだけ 聞きたいことがあるの




葬り去りたいのは
悲しみ?


それとも
私自身?




何も 見たくない








「まっくらおばけ」

睨みつけてる
あなたはだあれ?


まっくらおばけ


アタシの脳を食い尽くす


眠りたい
眠りたいのよ


そう 逃げたいの


鳥肌立つよな
不快な音
電磁波
病んだ街


病んでるアタシ


何も感じない場所へ


でも
明日はやってくる
確実に


確実に


手首を縛る
あなたは だあれ?


まっくらおばけ


お願い
朝は見たくないのよ


これ以上 追い詰めないで








「ロボット」

ワタシ ハ ロボット
ウゴク テ ハ ベルトコンベアー
アシ ハ クルマ ナミ


    タイヘン ヨク ハタラク
    ワタシ ハ ロボット


デモ コノ ポッカリト
ムネノアタリ ニ アイタ モノハ ナニ?


    カンジョウ ナイノデ ワカリマセン
    デモ ポッカリ アイテルノ
    ニンシキ デキマス


カンジョウ?
ワカリマセン


カンジョウホシイ?
ワカリマセン


    デモ
    ムカシ ニ モドリタイデス


ムカシ ロボットニ ムカシ?


    ワカリマセン
    ムズカシイコト キカナイデ


ワタシ ロボット
カンジョウ ナイ ロボット


    コワレルマデ ハタラク
    ソレダケ ノ ソンザイ


タスケ モトメナクテ イイ
ノゾミ モタナイデ イイ


サミシク ナイ
カナシク ナイ


    ナニモ ナイ


ピー ピー ピー ピー ・・・・








「陰鬱な痛み」

時折
「記憶」という名の 硝子の破片が
まだこの身体に生々しく
傷を残しているのを感じる


    嘆きはしない
    恨みもしない
    ただ 感じるだけ
    痛みを 静かに


許してはいけない
耳の奥で女が囁く
許されるわけがない
胸の奥で子供が叫ぶ


    許しの儀式は終わった

なのに
硝子の破片は 茨の棘のように
ちくりちくりと 皮膚をうごめく



    痛みなら 激しいほうがいいの
    私は そんな痛みしか知らない
    握りつぶされて
    涙も流せないほどの


なのに どうして今更
どうして




時折
「記憶」という名の 硝子の破片が
まだこの身体に生々しく
傷を残しているのを感じる


    嘆きはしない
    恨みもしない
    ただ 感じるだけ
    静かに この胸を引き裂く
    陰鬱な痛み
    ずっと ずっと








「蟻の行列」

お行儀いいのね
貴方 とっても


蟻の行列
睨んで 潰した


憎いわけじゃないのにね
なんだか
力が出たがるの
この 身体から


それは常識に
通じ得ないことかしら?


分からないわ


この先のことなんて 誰にも


並んで歩くもの
かき乱せば
この心も
少しは救われるのかしらね


いい子でいたいのね
誰だって きっと


蟻の行列
睨んで 蹴散らした


そうすることに
意味はあるのかしら?


分からないわ


ただ 壊してしまいたいの


いい子でいるのは
疲れたのよ


もう
疲れたの








「弱音」

穏やかな日々も
分かち合えぬ その瞳ですらも
この身体に刻みつけてきたというのに


眠りはまだ 私を許してはくれない


飛びはばかるは
身を切るものばかり


聞き分けの良い羊の群れに
ぶちまけられた血で
この身を洗ってもらおうか?


焼き付けるような痛み


なにもかも
 

爛れてしまえばいい


数える明日に もう 指が追いつかない


ねえ
今日一日を安らぎに変えてくれるなら
これからの全てを 貴方に捧げてもいいわ


笑いは枯れて
馬鹿馬鹿しくて 涙も出ない


ああ いっそ


なにもかも


  爛れてしまえばいい


眠りと引き換えに
うなだれるしか 他に道がないほどの
痛みがあればいい


螺旋くれたままなら 無理に解く必要もなく
そうね
蔑みたいように 蔑んで


羊の血で洗ってもらうのよ




貴方なんか 大嫌い








「漂流」

誰を傷つけるつもりもなく
かといって
歩みを止めるつもりもなく


仕方がないと 屈託のない笑顔で
凍てつくような目をしては
もろばの剣を振りかざす


生きるってそういうことでしょ?


だって


根づいたまま
しがみついて離れない悲しみに
水をやってるのは
まぎれもなく
私だもの


裸足の足は血だらけで


少し
疲れた


傷つくのも
傷つけるのも
それに
怯えるのも


たまには 自分を傷つけてみてもいいでしょ?


こころの粒が ため息 もらした








「麻薬」

失速する瞳孔と
冷たく光る街灯が
眩暈に火花をちらつかす


夕べのことなら 覚えてないわ


息苦しさは
私の友達


痛みの花を咲かせましょう


眠れないのは
孤独のせい


咥えた指に指紋がないの


煙草の煙で
汚れた性器を踏みにじる


大勢の中
誰もいない


誰に抱かれても
誰もいない


遠くで汗ばむ音がして
求める心
膝を抱えて 今日も独り


夕べのことなら 覚えてないわ




意味もなく
くだらない理由で
殺されたかったの




振り向けばそこに
罰のニオイ 密かに感じて


私は眩暈に酔いながら
何度も唾を吐き捨てた


何度も 何度も 吐き捨てた








「嵐前」

痛みに強くなるごとに
何かが ここから抜けてゆく


撒きつく風に
戸惑うばかり


現実は私の後ろで生きている


風に犯され一人
確実に何かを失いながら
泣くことも出来ず
今と呼ばれる
この瞬間を放り投げて


本当は終わりにしたい
何もかも
終わりにしたい


麻痺した心に
痛みなど 感じるはずがないでしょう?


もう 呼ばないで!



風がついに唸りをあげた
嵐が来る 嵐がさらいにやってくる


跡形もなく私を壊して






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